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Jリーグの平均入場者数では分からないことを中央値で分析


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スタジアムイメージ

Jリーグ全体の入場者数合計と平均値には、次のような特徴がありました。

 

Jリーグ全体の入場者数合計と平均値には、次のような特徴がありました。

★入場者数合計は増加している

★平均は横ばいである

しかし、これをJ1からJ3に分けて、平均値をみるとそれぞれ事情が違いました。

中央値はデータの値を大きさ順に並べで算出するので、分析スルーデータの中に極端な値があっても影響を受けない数値です。

Jリーグ全体の入場者数データでみれば、中央値は平均値と連動していました。

それでは、J1~J3のリーグでは違いがあるのか?

詳しく見ていきたいと思います。

 

J1の平均値と中央値をグラフに表したものです。

入場者数の平均値と中央値(J1)

2013年に平均値と中央値に差が開きましたが、以降は、両方とも増加傾向です。

実際に、平均値と中央値の差が最も大きい2013年と、差が縮まった2019年の詳細を確認してみます。

下の図は、J1の各試合を1,000人単位に区切って試合数を数えたものです。

2013年は、13,000人~14,000人の入場者数の試合が最も多く31試合でした。

Jリーグ入場者ヒストグラム(2013年J1)

2019年は、14,000人~15,000人の入場者数の試合が最も多く26試合でした。

Jリーグ入場者ヒストグラム(2019年J1)

入場者数がピークとなる試合は1,000人増えています。

また、全体的にグラフが右側(増加)の方に動いています。

入場者数が10,000人以下の試合をカウントすると2013年は51試合あったのに対し、2019年は10試合にまで減りました。

各年の1万人以下の試合は、下表のようになります。

(J1)1万人以下の試合数

 

 

毎年の推移でみると増減はしていますが、少しずつ1万人以下になる試合数が減っていることが分かります。

クラブ別に調査する必要はありますが、各チームともある一定数の固定ファンを獲得できていることが推測できます。

J1リーグは、入場者数の底上げが出来ており、増加に向けて順調に推移しています。

J2リーグの入場者数の推移

次にJ2の平均値と中央値をグラフに表したものです。

入場者数の平均値と中央値(J2)

J2は、平均値だけ見ると横ばいです。

しかし、中央値は2016年以降増加傾向にあります。
2016年の中央値は5,523人ですが、2019年には6,534人まで増やすことが出来ました。

平均値と中央値の差も少なくなってきています。
平均値と中央値の差が最も開いた2016年と直近の2019年の詳細を確認してみます。
(※2020年は異例だったので分析からは除外します)

2016年は、4,000人~5,000人の入場者数の試合が最も多く86試合でした。

Jリーグ入場者ヒストグラム(2016年J2)

2019年は、5,000人~6,000人の入場者数の試合が最も多く70試合でした。

人数のピークとなる試合は1,000人増えています。

グラフから入場者数が5,000人を切る試合も減っているように見えます。

Jリーグ入場者ヒストグラム(2019年J2)

2016年に5,000人以下の試合は207試合でしたが、2019年は126試合と半分になりました。J1と同様に底上げは出来ているように見えます。

一方で、気になるのは平均入場者数の上限の数値です。
平均入場者数が5,000人~6,000を超える試合が、減り真ん中に寄ってきているように見えます。

実際試合数を確認すると、1万人以上も1万5千人以上も減っているようです。

(J2)1万人以下の試合数

入場者数の下限が安定してきた一方、入場者のたくさん呼び込む試合が減っています。

「また来たい!」と思ってもらう為に、試合内容は大事です。
しかし、試合内容以外にも、たくさんのサポーターで熱気に包まれるスタジアムは高揚感を煽り、新規観戦者をリピーターにできる要素だと思います。

実際、私も観戦方法がテレビからスタジアムに変わり、スタジアムに通うようになったのは、Van HalenのJumpの曲と共に選手がウォーミングアップで入ってくる「博多の森」の雰囲気に魅かれてでした。

ジェフの試合を見たくて行った博多の森で、博多の森の雰囲気が好きになり、アビスパも好きになるといったステップを踏みました。

新規観戦者を増やすために、年に数試合は大きく入場者数を増やす施策が必要と思います。

J3リーグの入場者数の推移

J3の平均値と中央値をグラフに表したものです。

入場者数の平均値と中央値(J3)

J3は、平均値は減少傾向でしたが、中央値も全体的には減少傾向です。
平均値と中央値の差が一番大きかった2016年と直近2019年の詳細を確認してみます。

2016年は、1,000人~2,000人の入場者数の試合が最も多く93試合でした。

Jリーグ入場者ヒストグラム(2016年J3)

2019年も、1,000人~2,000人の入場者数の試合が最も多く112試合でした。

Jリーグ入場者ヒストグラム(2019年J3)

若干、2019年の方が多くなっているように見えますが、この2つの年はチーム数が違うので、試合数が異なっています。

J3全体の試合数は、2016年は240試合、2019年は306試合でした。

単純に数値を比較することが出来ないため、割合で比べる必要があります。
割合で比べてみると、2016年は1,000人~2,000人の試合が39.7%、2019年が36.6%なので、ほぼ同じといったところです。

2016年は、5000人以上の試合は33試合(13.8%)ありました。そのうち17試合が大分が絡む試合です。

2019年は、5000人以上の試合が23試合(7.5%)となります。その内、18試合は熊本と北九州の絡んだ試合でした。

J2経験チームがリーグ全体を引っ張っていますが、全体としては5,000人を切る試合が増えてきています。

2500人を切る試合は、2016年が131試合(54.6%)から2019年は201試合(65.7%)と増えてきており、減少傾向であることが分かります。

平均値では分からないこと まとめ

平均と中央値を比較して、差がある所を中心に各カテゴリの状況を分析してみました。平均値だけでは、読み取れないことが少し見えたかなと思います。

ポイント
J1リーグ
平均値と同様に、中央値も入場者数は増加傾向である。

1万人以下となる試合も減っており、安定した基盤が出来つつある。

J2リーグ

平均値は横ばいながら、中央値は増加傾向である。

入場者数の下限は安定しながらも、多くの入場者を呼び込む試合が必要。

J3リーグ

平均値と同様に、中央値も入場者数は減少傾向である。

2,500人以下の試合が増えてきているため、固定客を増やす仕組みが必要。

平均値、中央値と2つの代表値について分析しましたが、次回はもう1つの代表値である最頻値を利用したいと思います。

平均値と中央値については、こちらの記事を参照してください。